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イントロ

人の活動は、別の経路から生態系を変える

外来種と富栄養化を、原因から波及まで追う

生物を本来いなかった地域へ運ぶことと、生活排水などで水域へ栄養塩を多く流すことは、別の人為的撹乱です。どちらも最初の変化だけでなく、食物網や環境を介して在来種へ影響が広がります。

定義

外来種と富栄養化

教科書では
外来種は人の活動で本来の分布域外へ移された生物、富栄養化は水域の窒素・リンなどが過剰になる現象です。
言いかえると
外来種の一部は在来種を捕食したり、餌や場所をめぐる関係を変えたりします。富栄養化では藻類が大量に増え、その死骸を微生物が分解するときに水中の酸素が多く使われます。溶存酸素が不足すると魚などが生きにくくなります。
比較
撹乱最初の変化主な波及経路
外来種の移入新しい捕食・競争関係食物網を介して在来種へ
栄養塩の流入藻類や植物プランクトン増加分解と酸素低下を介して水生生物へ
共通点人の活動が原因大きいと種多様性を損ない得る

撹乱外来種の移入

最初の変化
新しい捕食・競争関係
主な波及経路
食物網を介して在来種へ

撹乱栄養塩の流入

最初の変化
藻類や植物プランクトン増加
主な波及経路
分解と酸素低下を介して水生生物へ

撹乱共通点

最初の変化
人の活動が原因
主な波及経路
大きいと種多様性を損ない得る

原因は違っても、直接変化とその先の間接的な波及を分けて読みます。

要点

因果鎖を飛ばさない

富栄養化では「栄養が多いのになぜ魚が減るか」を中間段階で説明します。

  1. 1

    生活排水などから窒素・リンが増える

  2. 2

    藻類や植物プランクトンが増える

  3. 3

    死骸を分解する微生物の呼吸が増える

  4. 4

    溶存酸素が減り、魚などが影響を受ける

図解外来魚移入から在来種減少へ至る経路と、栄養塩流入から溶存酸素低下へ至る経路を並べた図
上段は食物網の変化、下段は水質の変化を介する因果鎖です。各矢印で何が増減したかを読み、最後の多様性への影響へつなげます。
手順

人為的撹乱の資料を読む

  1. 1

    人の活動による導入又は流入を特定する

  2. 2

    直後に変わる生物又は環境要因を確認する

  3. 3

    食物網、分解、酸素など中間過程を追う

  4. 4

    在来種の個体数や種類数の変化と結び付ける

要点

溶存酸素を読む

溶存酸素は水中に溶けている酸素です。水面の見た目だけでなく、微生物の呼吸と魚類への影響をつなぐ指標になります。

  1. 1

    分解者も呼吸して酸素を消費する

  2. 2

    有機物が多いと分解量が増え得る

  3. 3

    酸素不足は魚や底生動物へ影響する

  4. 4

    時間帯や水温でも値は変わるため経時資料を見る

場面
湖へ流れ込む窒素・リンが増えた後、藻類が増加し、数日遅れて溶存酸素が低下し、魚の死亡が観察された。
順に考えると
栄養塩が魚を直接窒息させたと飛ばして説明してはいけません。藻類増加、死骸や有機物の増加、微生物による分解と呼吸、酸素消費という中間過程があります。時系列で藻類の増加が先、酸素低下が後という順序も因果仮説を支えます。
ここが結論
栄養塩増加→藻類増加→分解増加→溶存酸素低下→魚への影響、と段階的に説明します。
注意

外来種の全てを同じ扱いにしない

確認

確認テスト

Q1

富栄養化した水域で溶存酸素が低下する代表的な経路はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    外来種と富栄養化は異なる人為的撹乱

  2. 2

    外来種の影響は食物網を介して広がり得る

  3. 3

    富栄養化では分解増加が溶存酸素低下へつながる

  4. 4

    原因、直接変化、中間過程、多様性への影響を分けて読む

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