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イントロ

遺伝子発現と細胞の違い

同じ情報をもっていても、読む部分が違う

同じ個体の多くの細胞は、基本的に同じ遺伝情報をもちます。それでも筋肉の細胞とすい臓の細胞の働きは違います。違いの一つは、発現している遺伝子が細胞によって異なることです。

定義

遺伝子発現

教科書では
遺伝子発現は、遺伝子の情報が読み取られ、タンパク質などのはたらきにつながることです。
言いかえると
遺伝子があるだけでは、その情報がいつも使われているとは限りません。転写や翻訳を通して情報が使われ、細胞のはたらきにつながるとき、その遺伝子が発現していると考えます。
要点

2つを分ける

細胞の違いを考えるときは、持っている遺伝情報と、実際に読み取っている遺伝子を分けます。

  1. 1

    同じ個体の細胞は基本的に同じゲノムをもつ

  2. 2

    すべての遺伝子を常に使うわけではない

  3. 3

    細胞の機能に応じて発現が異なる

  4. 4

    発現ははたらきにつながる情報の利用

比較
細胞の例よく使うはたらき発現の見方
筋肉の細胞収縮に関わるタンパク質筋肉の働きに関係する遺伝子が使われる
すい臓の細胞消化酵素などのタンパク質分泌に関係する遺伝子が使われる
共通点同じ個体なら基本的に同じ情報をもつ使う遺伝子の組み合わせが違う

細胞の例筋肉の細胞

よく使うはたらき
収縮に関わるタンパク質
発現の見方
筋肉の働きに関係する遺伝子が使われる

細胞の例すい臓の細胞

よく使うはたらき
消化酵素などのタンパク質
発現の見方
分泌に関係する遺伝子が使われる

細胞の例共通点

よく使うはたらき
同じ個体なら基本的に同じ情報をもつ
発現の見方
使う遺伝子の組み合わせが違う

同じ情報をもつことと、同じ情報をすべて使うことは別です。

図解同じゲノムをもつ2種類の細胞で、発現している遺伝子の組み合わせが異なることを示す図
同じゲノムをもっていても、細胞の種類によって読み取られる遺伝子は異なります。発現する遺伝子の違いが、細胞のはたらきの違いにつながります。
場面
筋肉の細胞とすい臓の細胞の違いを考える。
順に考えると
どちらも同じ個体の細胞なら、基本的に同じ遺伝情報をもっています。しかし、筋肉の細胞では収縮に関係するタンパク質が必要で、すい臓の細胞では消化酵素などが必要です。そのため、発現している遺伝子の組み合わせが異なります。
ここが結論
細胞の違いは、持っている情報の違いだけでなく、どの遺伝子を使っているかの違いとしても考えます。
注意

全遺伝子が常に働くわけではない

要点

ここでは仕組みより意味を押さえる

発現を調節する詳しい仕組みは発展です。生物基礎では、発現している遺伝子が細胞で異なることをまず理解します。

  1. 1

    同じゲノムでも使う部分が違う

  2. 2

    発現は転写・翻訳とつながる

  3. 3

    調節機構の詳細は上位科目で扱う

確認

確認テスト 1

Q1

同じ個体の筋肉細胞とすい臓の細胞について、最も適切な説明はどれですか。

確認

確認テスト 2

Q1

「遺伝子が発現する」とは何ですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    遺伝子発現は情報が読み取られ、はたらきにつながること

  2. 2

    同じ個体の細胞は基本的に同じゲノムをもつ

  3. 3

    すべての遺伝子が常に発現するわけではない

  4. 4

    細胞の機能に応じて発現する遺伝子が異なる