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イントロ

化学が支える日常の技術

物質の性質を選び、変化を制御して、必要な働きへ

蛇口の水、包装された食品、洗剤による洗浄には、物質を分ける、反応させる、溶けやすさを調整するという化学の考え方が使われています。技術名だけでなく、何を入力し、どの性質を使い、どんな条件で働くかを読みます。

定義

化学が拓く世界

教科書では
化学基礎で学んだ物質の性質や変化を、日常生活や社会の課題を解く技術へ結び付けて捉える見方です。
言いかえると
技術は、化学物質を使うことだけを意味しません。混合物から不要な成分を分ける、酸性や塩基性を適切な範囲へ調整する、酸化を抑える、極性の違いを利用して汚れを移す、といった操作の組合せです。同じ原理でも、濃度、温度、時間、対象物、設備管理が変われば働き方や安全性も変わります。
要点

技術を読む四つの欄

身近な技術を見たら、入力、化学概念、得たい働き、条件・限界の四つに分けます。この順なら、製品名や宣伝文句ではなく、学んだ化学を根拠に説明できます。

  1. 1

    入力:水、食品、油汚れなど、処理前に何があるか

  2. 2

    化学概念:分離、吸着、中和、酸化還元、極性のどれを使うか

  3. 3

    働き:除去、保存、洗浄など、何を達成したいか

  4. 4

    条件・限界:濃度、接触時間、材質、設備管理などを確認する

図解水処理、食品保存、洗浄について、入力、利用する化学概念、得たい働き、条件と限界を対応させた図
三つの技術を、入力→化学概念→働き→条件・限界の同じ順で比較します。水処理は複数工程、食品保存は材料と酸化の制御、洗浄は極性と材質の相性を考え、単一操作を万能視しません。
比較
場面主な化学の見方働きと注意
水処理ろ過・吸着・中和・酸化還元を工程ごとに使う不要成分を減らす。水質の測定と設備管理が必要
食品保存包装材料で気体や水分の移動を抑え、酸化を制御する品質変化を遅らせる。期限や温度管理の代わりではない
洗浄水となじむ部分、油となじむ部分など極性の違いを利用する汚れを液体側へ移す。材質と使用表示を確認する

場面水処理

主な化学の見方
ろ過・吸着・中和・酸化還元を工程ごとに使う
働きと注意
不要成分を減らす。水質の測定と設備管理が必要

場面食品保存

主な化学の見方
包装材料で気体や水分の移動を抑え、酸化を制御する
働きと注意
品質変化を遅らせる。期限や温度管理の代わりではない

場面洗浄

主な化学の見方
水となじむ部分、油となじむ部分など極性の違いを利用する
働きと注意
汚れを液体側へ移す。材質と使用表示を確認する

どの技術も一つの物質や一回の反応だけでは完結せず、目的に合う操作と条件を組み合わせます。

手順

未知の技術を化学で説明する手順

  1. 1

    処理前の物質と、減らしたい・保ちたい性質を言葉にする

  2. 2

    分離、溶解、中和、酸化還元など、利用できる化学概念を一つずつ対応させる

  3. 3

    処理後に何がどこへ移るか、何が変化するかを物質レベルで追う

  4. 4

    濃度、温度、時間、材質、安全管理など、成立条件と限界を添える

場面
油を含む食器を、水だけの場合と、表示どおりに洗剤を使う場合で比べる。
順に考えると
油は水となじみにくいため、水だけでは食器表面から離れても再び付着しやすいことがあります。洗剤の分子には水となじみやすい部分と油になじみやすい部分があり、油を小さく分散させて水側へ移しやすくします。ここで利用する中心概念は分子の極性です。強くこすることや熱湯だけが理由ではありません。
ここが結論
入力は油汚れ、化学概念は極性の異なる部分をもつ分子、働きは油を水側へ移して洗い流しやすくすることです。ただし、洗剤の量を増やせば必ず良いわけではなく、材質、使用量、すすぎ方など製品表示の条件を守る必要があります。
注意

化学原理と安全保証を同一視しない

確認

確認テスト

Q1

食品の包装が品質変化を遅らせる仕組みを、化学と条件の両方から説明したものはどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    日常の技術は、物質の性質と変化を目的に合わせて制御している

  2. 2

    入力→化学概念→働き→条件・限界の順で読む

  3. 3

    水処理は複数の分離・反応工程、食品保存は材料と酸化の制御、洗浄は極性を利用する

  4. 4

    化学原理を説明できても、安全性や品質は運転条件と管理を含めて判断する

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