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イントロ

植物が変わると、環境も変わる

遷移を一方向の植物交代でなく、環境との往復で読む

裸地へ植物が入り、草原や森林へ植生が変わる過程を遷移といいます。重要なのは名前の順番だけではありません。植物が土壌や光環境を変え、その新しい環境が次に生育しやすい植物を変えるという因果を追います。

定義

遷移

教科書では
ある場所の植生が、時間の経過とともに別の植生へ変化していく過程です。
言いかえると
裸地では土壌が乏しく乾きやすいため、厳しい条件に耐える植物から定着します。枯れた生物の有機物がたまり、根が基盤を崩すと土壌が発達します。植物が増えて上を覆うと地表の光は弱くなり、明るい場所を好む種から日陰でも育つ種へ有利さが変わります。
手順

モデル的な遷移の因果

  1. 1

    裸地へ先に定着できる生物が入る

  2. 2

    有機物の蓄積や根の働きで土壌が発達する

  3. 3

    草本や低木が増え、地表へ届く光が変わる

  4. 4

    変化した環境に適した植物が増え、植生が交代する

要点

植物の環境形成作用

植物は環境に選ばれるだけでなく、自ら周囲の環境を変えます。この作用が次の植生への条件をつくります。

  1. 1

    根が基盤を崩し土壌形成を助ける

  2. 2

    落葉や枯死体が土壌の有機物になる

  3. 3

    葉が地表を覆い光を弱める

  4. 4

    風や乾燥の程度も植生によって変わり得る

図解裸地から草原、森林へ進むモデルと、乾燥や低温によって草原または荒原が続く分岐を示す図
中央の矢印はモデル的な変化、下の分岐は環境条件による別の成立先です。土壌の発達と地表の光の変化を、植物の交代と対応させて読みます。
比較
条件起こりやすい変化成立し得る植生
水分と温度が樹木の生育に十分土壌発達と樹木の侵入が進む森林
降水が少なく乾燥が強い樹木の定着が制限される草原・荒原
低温や強風が続く高木の成長が制限される草原・荒原

条件水分と温度が樹木の生育に十分

起こりやすい変化
土壌発達と樹木の侵入が進む
成立し得る植生
森林

条件降水が少なく乾燥が強い

起こりやすい変化
樹木の定着が制限される
成立し得る植生
草原・荒原

条件低温や強風が続く

起こりやすい変化
高木の成長が制限される
成立し得る植生
草原・荒原

同じ出発点でも、気候や撹乱の条件が違えば成立する植生は変わります。

要点

遷移資料の読み方

植物名の順序を暗記する前に、各段階で何が増減したかを探します。

  1. 1

    土壌の厚さや有機物量

  2. 2

    地表へ届く光の割合

  3. 3

    草本・低木・高木の割合

  4. 4

    乾燥、低温、火災などの制限条件

場面
火山噴出後の裸地で、数十年後に土壌有機物が増え、草本の次に低木が増えた。一方、強風と低温が続く高所では高木が定着しなかった。
順に考えると
前半は、植物の侵入と枯死体の蓄積が土壌を発達させ、次の植物が育つ条件をつくったと説明できます。高所では土壌があっても低温や強風が樹木の成長を制限します。したがって「時間が十分なら必ず森林」という結論にはなりません。
ここが結論
遷移は時間だけで決まらず、植物が変えた環境と、気候・撹乱という外側の条件の両方で判断します。
注意

遷移は必ず森林で終わるわけではない

確認

確認テスト

Q1

裸地への植物侵入後に別の植物が増える理由として最も適切な説明はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    遷移は植生が時間とともに変化する過程

  2. 2

    土壌と光環境の変化が植物の交代に関わる

  3. 3

    植物自身も周囲の環境を変える

  4. 4

    環境条件によって森林、草原、荒原のいずれも成立し得る

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