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イントロ

塩を水へ溶かした後まで考える

構成イオンと水の反応から液性を読む

塩は酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンからなります。水へ溶けたイオンが水と反応するかを考えると、液性の傾向を説明できます。

定義

塩の加水分解

教科書では
塩から生じたイオンが水と反応し、H₃O⁺またはOH⁻を生じる現象です。
言いかえると
NaClではNa⁺とCl⁻は水との反応が小さく、25 ℃の希薄水溶液をおおむね中性として扱います。NH₄ClのNH₄⁺は水へH⁺を渡して酸性側、CH₃COONaのCH₃COO⁻は水からH⁺を受け取ってOH⁻を生じ、塩基性側へ傾けます。これは代表例の定性的判断です。
公式

水と反応する代表的イオン

平衡の向きや定数を計算せず、生じるイオンの種類を読みます。

アンモニウムイオン

H₃O⁺が生じるため、NH₄Cl水溶液は酸性側へ傾きます。

  • 可逆的な反応を定性的に示す
使うときのコツ

平衡定数や濃度からのpH計算は扱いません。

酢酸イオン

OH⁻が生じるため、酢酸ナトリウム水溶液は塩基性側へ傾きます。

  • 弱酸である酢酸に由来する陰イオン
使うときのコツ

反応するイオンだけを取り出して考えます。

解くコツ

塩を陽イオンと陰イオンへ分け、どの酸・塩基に由来するかを確認し、水と反応してH₃O⁺かOH⁻を生じるかを判断します。

図解NaCl、NH4Cl、CH3COONaの構成イオンと水との反応、液性の傾向を比較する図
三つの塩を構成イオンへ分け、H₃O⁺を生じる、ほぼ反応しない、OH⁻を生じるという粒子の役割を文字と矢印で明確に比較します。
手順

塩水溶液を読む手順

  1. 1

    塩の化学式を陽イオンと陰イオンへ分ける

  2. 2

    各イオンがどの酸・塩基に由来するか確認する

  3. 3

    水と反応してH₃O⁺またはOH⁻を生じる代表的イオンか判断する

  4. 4

    濃度や温度を含む条件付きの定性的な傾向として結論を書く

比較
由来の組合せ代表的な液性
NaCl強酸HCl・強塩基NaOHおおむね中性
NH₄Cl強酸HCl・弱塩基NH₃酸性
CH₃COONa弱酸CH₃COOH・強塩基NaOH塩基性

NaCl

由来の組合せ
強酸HCl・強塩基NaOH
代表的な液性
おおむね中性

NH₄Cl

由来の組合せ
強酸HCl・弱塩基NH₃
代表的な液性
酸性

CH₃COONa

由来の組合せ
弱酸CH₃COOH・強塩基NaOH
代表的な液性
塩基性

元の酸・塩基の強弱は手掛かりですが、すべての塩をこの表だけで断定できるわけではありません。

場面
酢酸ナトリウムCH₃COONa水溶液の液性を、構成イオンから定性的に判断する。
順に考えると
CH₃COONaはNa⁺とCH₃COO⁻に分かれます。Na⁺の水との反応はこの範囲で小さいと扱います。CH₃COO⁻は水からH⁺を受け取り、CH₃COOHとOH⁻を生じる方向の反応をするため、塩基性側へ傾きます。
ここが結論
代表的条件でCH₃COONa水溶液は塩基性と判断します。pHの数値は平衡計算をせず求めません。
注意

『中和でできた塩だから中性』ではない

確認

確認テスト

Q1

NH₄Cl水溶液が酸性側へ傾く主な説明として適切なのはどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    塩は酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンからなる

  2. 2

    構成イオンが水と反応してH₃O⁺またはOH⁻を生じるか考える

  3. 3

    NaCl、NH₄Cl、CH₃COONaを代表例として液性の傾向を読む

  4. 4

    加水分解は定性的に扱い、平衡定数やpH計算へ越境しない

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