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イントロ

高電圧送電と損失

同じ電力なら、電圧を上げて電流を下げる

送電線にも抵抗があるため、電流が流れると発熱します。同じ電力を届けるなら変圧器で電圧を高くし、電流を小さくするとI²に比例する損失を大きく減らせます。

定義

送電損失

教科書では
送電線の抵抗によって電気エネルギーの一部がジュール熱へ変わり、送り先へ届かなくなる電力です。
言いかえると
高い電圧そのものが損失を減らすのではありません。送る電力Pを一定とすると、Vを高くした分Iが小さくなり、その結果I²Rの発熱が減るという二段階で説明します。
公式

送電と損失の式

送る電力

同じPを送るなら、電圧Vを上げると電流Iを下げられます。

  • 送電する電力

送電線の発熱損失

送電線抵抗Rで一秒当たりに熱へ変わる電力です。

  • 損失電力
  • 送電線全体の抵抗
使うときのコツ

電流を1/10にすれば損失は1/100です。

解くコツ

送電電力Pを固定→I=P/V→損失I²Rの順に倍率を追います。

要点

式を一段飛ばさない

Vを上げると損失が減るという結論だけを暗記せず、同じPを送るためIが下がることを間に置きます。

  1. 1

    比較する送電電力Pは同じ

  2. 2

    電圧10倍なら電流1/10

  3. 3

    損失は電流の二乗に比例

  4. 4

    受電側では利用しやすい電圧へ下げる

図解発電所から昇圧変圧器、高電圧小電流の送電線、降圧変圧器、利用先へ進む流れと、送電線の小さな発熱損失を示した図
発電側で昇圧し、送電線では高電圧・小電流にしてI²Rの発熱を抑え、利用側で降圧します。下段では電圧10倍→電流1/10→損失1/100の順を式と矢印で追います。
手順

倍率を追う手順

  1. 1

    送る電力Pと送電線抵抗Rを固定する

  2. 2

    電圧の倍率からI=P/Vの倍率を出す

  3. 3

    電流の倍率を二乗して損失倍率を出す

  4. 4

    損失が小さくなったか単位とともに確認する

場面
同じ電力を同じ送電線で送り、送電電圧だけを10倍にした。
順に考えると
P=VIより電流は1/10になります。送電線損失はP損失=I²Rなので、電流の倍率を二乗して(1/10)²=1/100です。Rは同じという比較条件を保っています。
ここが結論
送電線の発熱損失は1/100になります。
注意

抵抗へ同じ電圧を加える問題と混同しない

確認

倍率の確認

Q1

同じ電力を送り、送電電圧を5倍にしたとき、同じ送電線での損失は何倍ですか。

確認

損失電力の確認

Q1

送電線の抵抗が5.0 Ω、流れる電流が10 Aのとき、送電線の損失電力はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    送電線の損失はP損失=I²R

  2. 2

    同じPなら高電圧ほど小電流

  3. 3

    電流の低下は二乗で損失を減らす

  4. 4

    昇圧して送り、利用側で降圧する

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