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イントロ

位置・変位・移動距離

どれだけ動いたかと、どこまでずれたかは別

道のりをたくさん進んでも、出発点から見たずれは小さいことがあります。力学では、この違いを区別するために位置・変位・移動距離を分けて考えます。

定義

変位

教科書では
物体の位置が、最初の場所から最後の場所までどのように変化したかを表す量です。
言いかえると
通った道を全部たどるのではなく、出発点と終点だけを比べて『どちら向きにどれだけずれたか』を見るのが変位です。数直線で右向きを正に決めれば、変位は「終点の位置 - 始点の位置」で計算できます。だから往復すると移動距離はあっても、変位は 0 になることがあります。
公式

公式として見る変位

数直線で位置 x を決めると、変位は出発点と終点の差で表せます。

変位

最後の位置 x から、はじめの位置 x₀ を引くと、位置の変化 Δx が出ます。

  • 変位
  • 最後の位置
  • はじめの位置
使うときのコツ

出発点に戻れば x = x₀ なので、移動距離があっても Δx = 0 です。

解くコツ

変位を聞かれたら引き算、移動距離を聞かれたら通った長さの足し算、と先に分けます。

比較
見方変位移動距離
向きあるない
何を見るか出発点から終点までの変化実際に通った道の長さ
往復したとき0になることがある0にはならない

見方向き

変位
ある
移動距離
ない

見方何を見るか

変位
出発点から終点までの変化
移動距離
実際に通った道の長さ

見方往復したとき

変位
0になることがある
移動距離
0にはならない

変位は位置の変化、移動距離は道のりの長さとして見ると区別しやすくなります。

要点

問題で迷わないコツ

文章題では、先に正の向きと基準点を決めて数直線に置くと、変位と移動距離を取り違えにくくなります。

  1. 1

    まず基準点と正の向きを決め、位置を符号付きで表す

  2. 2

    変位は Δx = x - x₀ で求める

  3. 3

    移動距離は、向きを無視して実際に進んだ長さを足す

図解左の出発点から右へ進み、その後少し戻って最終的に出発点より右にいる様子と、出発点から終点までの直線的なずれを示した図
通った道は長くても、変位は出発点から終点までのずれだけで決まります。道のりとずれが別物だと、図で見ると整理しやすくなります。
場面
原点から東を正にして、0 m の場所から +5 m まで進み、そのあと +2 m まで戻った。
順に考えると
最後の位置は +2 m なので、変位は Δx = x - x₀ = (+2) - 0 = +2 m です。一方、実際に進んだ長さは 5 m 進んでから 3 m 戻っているので、移動距離は 8 m です。同じ数字を使っていても、変位は引き算、移動距離は通った分の足し算だと分かります。
ここが結論
変位は +2 m、移動距離は 8 m です。どちらを聞かれているかで計算のしかたが変わります。
注意

出発点に戻っても移動距離は 0 にならない

確認

確認テスト 1

Q1

家を出て同じ場所に戻ったとき、0 になることがあるのはどれですか。

確認

確認テスト 2

Q1

東へ3 m進み西へ2 m戻ると、移動距離と変位はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    位置は、基準から見た今の場所

  2. 2

    変位は、Δx = x - x₀ で表せる

  3. 3

    移動距離は、実際に通った道の長さ

  4. 4

    数直線に置いてから式にすると混同しにくい

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