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イントロ

移動平均と時系列の傾向

近い期間を平均して、細かな揺れをならす

移動平均は、時間順データの連続する一定個数を平均し、窓を1期間ずつ動かした系列です。中央3項では、前・中央・後の3値を中央時点へ対応させます。

定義

中央3項移動平均

教科書では
時点tと、その前後1時点の計3値を平均し、中央の時点tへ置く値です。
言いかえると
元データの各点をそのまま追うと、一時的な増減で長期の方向を見失うことがあります。中央3項移動平均は前・中央・後の3点を同じ重みでならします。最初と最後の時点では片側の値がなく、3点がそろわないため計算できません。
公式

中央3項移動平均

時点tの観測値をxₜとします。

3期間移動平均

時点tの前・中央・後の3値を足して3で割り、結果を中央のtへ置きます。

  • 時点tの元の観測値
  • 時点tを中央とする3項移動平均
  • 窓に含める期間数
使うときのコツ

最初と最後は前後3点がそろわないため、中央3項移動平均を作れません。

解くコツ

使う3点を括弧で囲み、平均値を真ん中の時点へ置きます。

図解週ごとの元データの折れ線と中央3項移動平均の滑らかな折れ線を重ねた図
元データは週ごとに上下しますが、中央3項移動平均は短期の揺れをならします。第3〜5週の29、31、35を平均し、中央の第4週へ31.7を置きます。
手順

移動平均を作る6手順

  1. 1

    時系列を時間順に並べ、欠測や単位を確認する

  2. 2

    中央3項という窓幅と値を置く位置を確認する

  3. 3

    最初の窓に入る値を合計して個数で割る

  4. 4

    平均値を窓の中央時点へ置く

  5. 5

    窓を1時点動かし、同じ計算を繰り返す

  6. 6

    元データと重ね、傾向・遅れ・端点を評価する

比較
窓幅見え方注意
短い変化へ速く反応細かな揺れが残る
長い滑らかな傾向急変への反応が遅れる
最初と最後値を作れない前後3点がそろわない

窓幅短い

見え方
変化へ速く反応
注意
細かな揺れが残る

窓幅長い

見え方
滑らかな傾向
注意
急変への反応が遅れる

窓幅最初と最後

見え方
値を作れない
注意
前後3点がそろわない

窓幅に唯一の正解はなく、見たい変化の時間尺度とデータ量に合わせて選びます。

場面
第3週から第5週の利用件数が29、31、35件だった。第4週の中央3項移動平均を求める。
順に考えると
第4週を中央とする前後3値を使うので、M₄=(29+31+35)/3=95/3≈31.7件です。第3〜5週の上下をならした値を第4週へ置きます。第1週と最終週は前後のどちらかがなく、同じ方法では計算できません。
ここが結論
第4週の中央3項移動平均は約31.7件です。
注意

滑らかな線を真の変化と決めつけない

確認

確認テスト

Q1

時点t−1、t、t+1の値が12、18、15のとき、時点tの中央3項移動平均はいくつですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    中央3項移動平均は前・中央・後の3値の平均

  2. 2

    計算値は窓の中央時点へ置く

  3. 3

    最初と最後は前後3点がそろわず計算できない

  4. 4

    窓が長いほど滑らかだが反応は遅い

  5. 5

    元データと重ねて傾向と限界を読む

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