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イントロ

強いと濃いは別の言葉

電離の割合と溶質の量を二軸で見る

酸・塩基の強弱は水中で電離する割合、濃淡は溶液の一定体積中に溶けている量を表します。薄い強酸も濃い弱酸もあり得ます。

定義

電離度と濃度

教科書では
電離度は溶けた物質のうち電離した割合、モル濃度は溶液1 L当たりの溶質の物質量です。
言いかえると
強酸のHClは水中でほぼ電離するため電離度が大きく、弱酸の酢酸は一部だけが電離するため電離度が小さいと扱います。一方、濃度は最初に溶かした物質の量です。電離度と濃度を掛け合わせて生じるイオン量を考える入口になりますが、弱酸の平衡計算には進みません。
公式

電離度の意味

割合なので0から1の間で表します。

電離度

αが1に近いほど電離する割合が大きく、強い酸・塩基として扱います。

  • 電離度、0以上1以下
使うときのコツ

濃度cの大小をαの大小へ置き換えないでください。

解くコツ

問題文の語を『割合の情報』と『1 L当たりの量』へ分類し、強弱か濃淡かを先にラベル付けします。

図解強い・弱いと濃い・薄いを縦横の二軸にした4区画の粒子モデル
横軸を電離度による強弱、縦軸を溶質量による濃淡として4通りを示します。粒子の総数と電離した割合を形とラベルで区別します。
比較
表現判断する量
強酸・弱酸電離度の大小HClは強酸、酢酸は弱酸
濃い・薄いモル濃度などの大小1.0 mol/Lは0.010 mol/Lより濃い
薄い強酸濃度小・電離度大低濃度HCl水溶液
濃い弱酸濃度大・電離度小高濃度の酢酸水溶液

表現強酸・弱酸

判断する量
電離度の大小
HClは強酸、酢酸は弱酸

表現濃い・薄い

判断する量
モル濃度などの大小
1.0 mol/Lは0.010 mol/Lより濃い

表現薄い強酸

判断する量
濃度小・電離度大
低濃度HCl水溶液

表現濃い弱酸

判断する量
濃度大・電離度小
高濃度の酢酸水溶液

強弱だけでも濃淡だけでも、実際のH⁺量を一意には決められません。両方の情報が必要です。

手順

言葉を取り違えない手順

  1. 1

    物質の種類についての情報か、溶液の量についての情報かを分ける

  2. 2

    電離する割合なら強弱、mol/Lなら濃淡と判断する

  3. 3

    強弱と濃淡を別々に記録して二軸の位置を決める

  4. 4

    H⁺量を問う場合は価数も必要になることを確認する

場面
0.0010 mol/LのHCl水溶液と1.0 mol/Lの酢酸水溶液を、強弱と濃淡の観点で説明する。
順に考えると
HClは強酸で電離度が大きい一方、0.0010 mol/Lなので薄い水溶液です。酢酸は弱酸で電離度が小さい一方、溶質濃度1.0 mol/LなのでHCl水溶液より濃い水溶液です。強弱と濃淡の順序が逆になる例です。
ここが結論
前者は薄い強酸、後者は濃い弱酸です。この情報だけから危険性やpHを単純比較しません。
注意

『弱酸だから安全』とは判断しない

確認

確認テスト

Q1

酸の強弱と濃淡の説明として正しいものはどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    酸・塩基の強弱は電離度の大小で考える

  2. 2

    濃い・薄いは一定体積中の溶質量、通常はモル濃度で考える

  3. 3

    薄い強酸、濃い弱酸のどちらもあり得る

  4. 4

    弱酸・弱塩基の電離平衡計算へは進まず定性的に区別する

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