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イントロ

右上の電荷と前の係数を検算する

価数は下付き数字の丸暗記ではない

電離式は物質が水中で生じるイオンを表します。酸1 molから生じ得るH⁺、塩基1 molから生じ得るOH⁻のmol数を価数として読みます。

定義

電離と価数

教科書では
電離は水中で物質がイオンに分かれること、酸・塩基の価数はH⁺またはOH⁻を何mol分生じ得るかを表す数です。
言いかえると
HClは1 molからH⁺を1 mol生じる1価の酸、H₂SO₄は量的関係ではH⁺を2 mol分生じ得る2価の酸です。NaOHは1価、Ca(OH)₂は溶解した1 molからOH⁻を2 mol生じる2価の塩基です。式の左右で原子数と電荷の合計を合わせます。
公式

代表的な電離式

係数、下付き数字、右上の電荷を別々に読みます。

HClは1価、H₂SO₄は量的関係で2価として扱います。

  • H⁺が物質量比で2
使うときのコツ

右辺の電荷合計はどちらの式も0です。

塩基

NaOHは1価、Ca(OH)₂は溶解した部分について2価です。

  • OH⁻が物質量比で2
使うときのコツ

Ca²⁺の2は電荷、2OH⁻の前の2は粒子数比です。

解くコツ

左辺1 molを基準に右辺のH⁺またはOH⁻の係数を読み、原子数と電荷合計で式を検査します。

図解HCl、H2SO4、NaOH、Ca(OH)2の電離式と1価・2価を粒子カードで比較する図
左辺1 molから生じるH⁺またはOH⁻のカード数で価数を示します。電荷は右上、粒子数は式の前という位置の違いもラベルで区別します。
手順

電離式の確認手順

  1. 1

    水中で生じる陽イオンと陰イオンを正しい化学式で書く

  2. 2

    原子数が左右で同じになるよう粒子の前の係数を付ける

  3. 3

    左右の電荷合計が同じか確認する

  4. 4

    酸はH⁺、塩基はOH⁻の係数から価数を読む

比較
物質1 mol生じ得るイオン価数
HClH⁺ 1 mol1価の酸
H₂SO₄H⁺ 2 mol2価の酸
NaOHOH⁻ 1 mol1価の塩基
Ca(OH)₂OH⁻ 2 mol2価の塩基

物質1 molHCl

生じ得るイオン
H⁺ 1 mol
価数
1価の酸

物質1 molH₂SO₄

生じ得るイオン
H⁺ 2 mol
価数
2価の酸

物質1 molNaOH

生じ得るイオン
OH⁻ 1 mol
価数
1価の塩基

物質1 molCa(OH)₂

生じ得るイオン
OH⁻ 2 mol
価数
2価の塩基

価数は濃度や強弱とは別の情報です。2価だから必ず強い、濃いとは限りません。

場面
H₂SO₄ 0.0200 molが量的計算上すべて電離するとき、生じ得るH⁺の物質量を求める。
順に考えると
全体式H₂SO₄→2H⁺+SO₄²⁻では、H₂SO₄:H⁺=1:2です。したがって0.0200 mol×2=0.0400 molです。左辺のH原子2個、右辺のH⁺2個、電荷合計0も一致します。
ここが結論
H⁺は0.0400 molです。これは2価による物質量比であり、溶液のモル濃度とはまだ別の量です。
注意

右上の電荷と前の係数を混同しない

確認

確認テスト

Q1

Ca(OH)₂ 0.100 molが溶解した部分について完全に電離するとき、OH⁻は何mol生じますか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    電離式は原子数と電荷の両方を保存する

  2. 2

    酸の価数は1 molから生じ得るH⁺、塩基はOH⁻のmol数で読む

  3. 3

    右上の数字は電荷、式の前の数字は粒子数・物質量の係数

  4. 4

    価数と強弱、価数と濃度を別の軸として扱う

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