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イントロ

電子を出しやすい金属が相手を還元する

水溶液中の置換を順序から予測

金属のイオン化傾向は、金属が電子を失って陽イオンになろうとする程度の目安です。傾向が大きい金属は、小さい金属のイオンへ電子を渡せます。

定義

金属のイオン化傾向

教科書では
水溶液中で金属原子が電子を失い、陽イオンになろうとする傾向です。
言いかえると
ZnはCuよりイオン化傾向が大きいため、Zn金属をCu²⁺水溶液へ入れると、Znが電子を失ってZn²⁺になり、Cu²⁺が電子を受け取ってCuとして析出します。逆にCu金属をZn²⁺水溶液へ入れても、この単純な置換は進みにくいと予測します。
公式

亜鉛と銅イオンの半反応

二つの半反応を電子2個で結びます。

酸化

イオン化傾向が大きいZnが電子を与えます。

  • 還元剤として酸化される金属
使うときのコツ

金属板のZn原子が水溶液中のイオンになります。

還元

Cu²⁺が電子を受け取り、金属Cuとして析出します。

  • 酸化剤として還元されるイオン
使うときのコツ

電子数はZn側と同じ2個です。

解くコツ

金属単体と相手の金属イオンを特定し、単体の金属が順序で上なら電子を与える半反応を予測します。

公式

置換反応の全体式

二つの半反応を足して電子2個を消去します。

全体

原子数と電荷合計+2が左右で一致します。

  • 固体/水溶液
使うときのコツ

硫酸イオンなど傍観イオンは正味の式から省きます。

解くコツ

電子を消去した後、反応前後の元素数と電荷合計が一致するか確認します。

図解Zn、Fe、水素、Cu、Agのイオン化傾向の順序と、亜鉛から銅イオンへの電子移動を示す図
Zn>Fe>H>Cu>Agの代表的な順序と、ZnがCu²⁺へ電子を渡す置換を示します。順位、粒子記号、矢印で判断根拠を表します。
手順

置換を予測する手順

  1. 1

    金属単体Mと、水溶液中の別の金属イオンXを特定する

  2. 2

    代表的なイオン化傾向の順序でMとXの金属を比較する

  3. 3

    Mが上ならMの酸化とXイオンの還元を半反応で書く

  4. 4

    電子数をそろえて全体式を作り、原子数と電荷を確認する

  5. 5

    濃度や表面状態など条件による限界を添えて予測とする

比較
組合せ単純な予測電子の向き
Zn + Cu²⁺置換が進むZnからCu²⁺
Fe + Cu²⁺置換が進むFeからCu²⁺
Cu + Zn²⁺進みにくいCuはZnより下
Cu + 2Ag⁺置換が進むCuからAg⁺

組合せZn + Cu²⁺

単純な予測
置換が進む
電子の向き
ZnからCu²⁺

組合せFe + Cu²⁺

単純な予測
置換が進む
電子の向き
FeからCu²⁺

組合せCu + Zn²⁺

単純な予測
進みにくい
電子の向き
CuはZnより下

組合せCu + 2Ag⁺

単純な予測
置換が進む
電子の向き
CuからAg⁺

この表は水溶液中の代表的条件での傾向です。反応の速さや安全性を保証するものではありません。

場面
Fe(s)をCuSO₄(aq)へ入れたときの正味の反応を予測する。代表順序をFe>Cuとする。
順に考えると
FeはCuよりイオン化傾向が大きいため、Fe→Fe²⁺+2e⁻と酸化されます。Cu²⁺+2e⁻→Cuと還元されます。電子2個を消去するとFe+Cu²⁺→Fe²⁺+Cuです。SO₄²⁻は傍観イオンです。
ここが結論
正味の式はFe(s)+Cu²⁺(aq)→Fe²⁺(aq)+Cu(s)です。Feが還元剤、Cu²⁺が酸化剤です。
注意

順序だけで実験を決めない

確認

確認テスト

Q1

Zn>Cuの順序を用いると、Cu(s)をZn²⁺(aq)へ入れたときの予測として適切なのはどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    イオン化傾向は金属が電子を失って陽イオンになろうとする目安

  2. 2

    傾向が大きい金属は、小さい金属のイオンへ電子を渡せる

  3. 3

    置換反応は半反応式の電子数、原子数、電荷で検算する

  4. 4

    水溶液条件の傾向であり、反応速度や安全を保証する絶対則ではない

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