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イントロ

作用名と自分の変化は反対に見える

酸化剤は自ら還元される

酸化剤は相手から電子を受け取って相手を酸化し、自らは還元されます。還元剤は相手へ電子を与えて相手を還元し、自らは酸化されます。

定義

酸化剤と還元剤

教科書では
酸化剤は電子の受け手、還元剤は電子の与え手として反応する物質です。
言いかえると
名前は相手へ及ぼす働きで付きます。Cl₂がI⁻から電子を受け取る反応では、Cl₂がI⁻を酸化する酸化剤、I⁻がCl₂を還元する還元剤です。自分自身はCl₂が還元、I⁻が酸化されるため、作用名と自分の変化を二行で分けます。
公式

酸化と還元の半反応式

電子2個を両式で一致させて加えます。

還元剤I⁻の酸化

I⁻は電子を与えて酸化され、還元剤として働きます。

  • 放出する電子2個
使うときのコツ

原子数2、電荷−2が左右で一致します。

酸化剤Cl₂の還元

Cl₂は電子を受け取って還元され、酸化剤として働きます。

  • 生成する塩化物イオン2個
使うときのコツ

電子を加えて左辺の電荷−2を右辺へ合わせます。

解くコツ

各粒子の半反応を書き、電子数の最小公倍数でそろえてから足します。

公式

電子を消去した全体式

二つの半反応を足し、両辺の電子2個を消去します。

全体のイオン反応式

酸化と還元を一つにまとめた式です。

  • 全体式では中間の授受として消去
使うときのコツ

左右の原子数と電荷合計−2が一致します。

解くコツ

電子を消去した後、原子数と電荷を検算し、反応物から酸化剤・還元剤を判定します。

図解ヨウ化物イオンが放出した電子2個を塩素分子が受け取り、二つの半反応を全体式へ合成する図
I⁻側が出す2e⁻とCl₂側が受け取る2e⁻を同じ電子レーンで結びます。酸化剤・還元剤と自分の変化を別ラベルで示します。
比較
役割電子自分自身
酸化剤受け取る還元される
還元剤与える酸化される
KMnO₄条件下で代表的な受け手代表的酸化剤
KI中のI⁻条件下で代表的な与え手代表的還元剤

役割酸化剤

電子
受け取る
自分自身
還元される

役割還元剤

電子
与える
自分自身
酸化される

役割KMnO₄

電子
条件下で代表的な受け手
自分自身
代表的酸化剤

役割KI中のI⁻

電子
条件下で代表的な与え手
自分自身
代表的還元剤

H₂O₂は相手や条件によって酸化剤にも還元剤にもなり得るため、物質名だけでなく反応式から判定します。

手順

役割を判定する手順

  1. 1

    反応前後で同じ元素を対応させて酸化数または電荷の変化を見る

  2. 2

    電子を失う半反応と受け取る半反応を書く

  3. 3

    電子数が等しくなるよう半反応式全体へ係数を掛ける

  4. 4

    電子を消去して全体式を作り、原子数と電荷を確認する

  5. 5

    電子の受け手を酸化剤、与え手を還元剤と名付ける

場面
Cl₂+2I⁻→2Cl⁻+I₂で、酸化剤と還元剤を判定する。
順に考えると
Clの酸化数はCl₂で0、Cl⁻で−1へ減少し、Cl₂は電子を受け取って還元されています。よってCl₂が酸化剤です。IはI⁻で−1、I₂で0へ増加し、I⁻は電子を与えて酸化されています。よってI⁻が還元剤です。
ここが結論
酸化剤はCl₂、還元剤はI⁻です。作用名を決めるときは電子の受け手・与え手を根拠にします。
注意

酸化された物質を酸化剤と呼ばない

確認

確認テスト

Q1

Zn+Cu²⁺→Zn²⁺+Cuで酸化剤として働く粒子はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    酸化剤は電子を受け取り、自らは還元される

  2. 2

    還元剤は電子を与え、自らは酸化される

  3. 3

    半反応式は電子数をそろえて加え、全体式で電子を消去する

  4. 4

    原子数、電荷、電子数を検算し、物質名だけで役割を決めない

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