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イントロ

二項分布の正規近似

整数の棒を連続な釣鐘形の面積へ置き換える

試行回数が十分大きい二項分布は、同じ平均と分散をもつ正規分布で近似できます。整数ごとの棒を面積へ移すときは、境界を0.5ずらす連続補正を使います。

定義

正規近似と連続補正

教科書では
離散的な二項分布を連続な正規分布で近似し、整数の範囲を半整数の境界へ直すことです。
言いかえると
二項分布の棒が滑らかな釣鐘形へ近づくと、たくさんの二項確率の和を正規曲線の面積で見積もれます。ただしX=54の棒にも横幅があると考え、X≤54は連続変数Y≤54.5へ対応させます。この0.5の調整が連続補正です。
公式

近似する正規分布

XがB(n,p)に従い、q=1−pとします。

正規近似

二項分布Xを、平均np・分散npqの正規分布Yで近似します。

  • 整数値をとる二項分布
  • 近似に使う連続な正規分布
  • 1−p
使うときのコツ

標準化に使う標準偏差はnpqです。

上側を含む境界の例

整数kの棒全体を含めるため、右端をk+0.5へ置きます。

  • 整数kの棒の右境界
使うときのコツ

不等号の向きと、端の整数を含むかを図で確認します。

解くコツ

二項分布の範囲を整数の棒で塗り、その外側の半整数を正規分布の境界にします。

図解二項分布の54までの棒と正規曲線の54.5までの面積を重ねた図
B(100,0.5)の棒と正規曲線は平均50を中心に重なります。X≤54では54の棒を丸ごと含めるため、曲線の面積は右端54.5までです。
手順

正規近似の5手順

  1. 1

    二項分布のnとpを確認し、近似が妥当な形か見る

  2. 2

    平均npと標準偏差np(1−p)を求める

  3. 3

    求める整数の棒を図で塗る

  4. 4

    端を半整数へ移して連続補正する

  5. 5

    補正後の境界を標準化して正規分布の面積を読む

比較
二項分布の範囲連続補正後境界の意味
X≤kY≤k+0.5kの棒を含む
X≥kY≥k−0.5kの棒を含む
a≤X≤ba−0.5≤Y≤b+0.5両端の棒を含む

二項分布の範囲X≤k

連続補正後
Y≤k+0.5
境界の意味
kの棒を含む

二項分布の範囲X≥k

連続補正後
Y≥k−0.5
境界の意味
kの棒を含む

二項分布の範囲a≤X≤b

連続補正後
a−0.5≤Y≤b+0.5
境界の意味
両端の棒を含む

0.5を機械的に足すのではなく、含めたい最初と最後の棒の外側へ境界を置きます。

場面
XがB(100,0.5)に従うとき、P(X≤54)を正規分布で近似する。
順に考えると
平均は100×0.5=50、分散は25、標準偏差は5です。54の棒を含めるためY≤54.5へ連続補正します。標準化するとz=(54.5−50)/5=0.9です。左側累積確率を載せた標準正規分布表では約0.8159と読めます。
ここが結論
P(X≤54)は約0.8159と近似できます。
注意

どんな二項分布でも近似しない

確認

確認テスト

Q1

二項分布でP(20≤X≤30)を正規近似するとき、連続補正後の範囲はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    同じ平均np・分散np(1−p)の正規分布で近似する

  2. 2

    整数の棒を含む外側の半整数へ境界を移す

  3. 3

    補正後の境界を標準化する

  4. 4

    近似の妥当性を確かめ、近似値として答える

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