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イントロ

母平均の正規検定

標本平均のずれを標準誤差の個数で測る

帰無仮説が示す母平均と標本平均の差を標準誤差で割ると、ずれの大きさをz値で表せます。両側検定では正負両方の極端さを数えます。

定義

母平均の正規検定

教科書では
帰無仮説の下で標本平均を標準化し、標準正規分布からp値を求める検定です。
言いかえると
標本平均が基準から4離れていても、標本平均の標準誤差が10なら小さなずれ、2なら2標準誤差分のずれです。z値に直すことで尺度をそろえ、H₀の下でそれ以上のずれがどの程度起こるかを面積で求めます。
公式

母平均を検定するz値

H₀: μ=μ₀、母標準偏差σ既知の基本設定です。

検定統計量

標本平均と帰無仮説の平均の差が、標準誤差何個分かを表します。

  • 観測した標本平均
  • H₀で仮定する母平均
  • H₀の下での標本平均の標準誤差
使うときのコツ

分母は個々の値の標準偏差σではなく、標本平均の標準誤差です。

両側p値

観測したzと同じ距離以上の、左右両端の面積を合計します。

  • 帰無仮説の中心0からの距離
使うときのコツ

片側の面積だけで止めず、両側なら2倍します。

解くコツ

仮説と検定方向を先に定め、標準誤差、z、p値、結論を順番に書きます。

図解標準正規分布のz=−2以下とz=2以上を塗り、両側p値約0.0455を示す図
観測したz=2と同じ距離以上の結果は、右端だけでなく左端にもあります。左右二つの面積を足した両側p値は約0.0455です。
手順

母平均を検定する6手順

  1. 1

    H₀とH₁、片側か両側か、有意水準を定める

  2. 2

    無作為性・独立性・正規近似・σ既知を確認する

  3. 3

    標準誤差σ/nを求める

  4. 4

    z=(X̄−μ₀)/(σ/n)を計算する

  5. 5

    検定方向に合うp値を標準正規分布から求める

  6. 6

    p値を有意水準と比べ、文脈で結論を述べる

比較
段階この例意味
標準誤差12/36=2標本平均の揺れ
z値(504−500)/2=2基準から2標準誤差
両側p値約0.0455左右の極端な面積
5%との比較0.0455<0.05H₀を棄却

段階標準誤差

この例
12/36=2
意味
標本平均の揺れ

段階z値

この例
(504−500)/2=2
意味
基準から2標準誤差

段階両側p値

この例
約0.0455
意味
左右の極端な面積

段階5%との比較

この例
0.0455<0.05
意味
H₀を棄却

各数値の役割を言葉と対応させると、σで直接割ることや片側だけを数える誤りを防げます。

場面
H₀: μ=500、H₁: μ≠500。母標準偏差12、n=36、標本平均504を5%有意水準で検定する。
順に考えると
標準誤差は12/6=2、z=(504−500)/2=2です。標準正規分布でz≥2の面積は約0.02275なので、両側p値は2倍して約0.0455です。0.0455<0.05よりH₀を棄却します。
ここが結論
5%有意水準で、母平均が500と異なる統計的な証拠があります。
注意

有意差を大きな差と読まない

確認

確認テスト

Q1

H₀: μ=80、母標準偏差10、n=25、標本平均84のとき、検定統計量zはいくつですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    平均差を標本平均の標準誤差で割ってzを求める

  2. 2

    両側検定は左右両端の面積を合計する

  3. 3

    p値を事前の有意水準と比べる

  4. 4

    統計的有意性と実用的な重要性を分ける

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