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イントロ

帰無仮説・対立仮説と有意性

「差がない」と仮定して、結果の珍しさを測る

仮説検定では、まず差がないという帰無仮説を置きます。その下で観測結果以上の食い違いがどれほど珍しいかをp値で測り、事前の有意水準と比べます。

定義

帰無仮説・対立仮説・p値

教科書では
帰無仮説H₀は検討の基準、対立仮説H₁はデータから支持したい方向、p値はH₀の下での結果の珍しさです。
言いかえると
たとえば平均が500と異なるかを調べるならH₀: μ=500、H₁: μ≠500と置きます。H₀の下ではめったに出ないほど離れた標本平均ならH₀を棄却します。基準の有意水準αはデータを見る前に定めます。
公式

検定の判断規則

p値と事前に定めた有意水準αを比べます。

棄却の規則

H₀の下では観測結果が十分珍しいと判断し、H₁を支持する証拠があると結論します。

  • H₀の下で観測結果以上に極端な結果が出る確率
  • 事前に決める有意水準
使うときのコツ

等号の場合を含む規則か、授業や問題の定義に合わせて確認します。

棄却できない規則

H₀と食い違う証拠が設定した基準では十分でない、という判断です。

  • H₀が正しいと証明した意味ではない
使うときのコツ

「H₀を採択して真と確定」とは書きません。

解くコツ

仮説、検定方向、有意水準を先に書き、最後は文脈の言葉で結論を戻します。

図解帰無仮説の分布の両端に棄却域を示し、p値0.032と有意水準0.05を比較する図
両側検定では帰無仮説から両方向への食い違いを数えます。p=0.032はα=0.05以下なので、この規則ではH₀を棄却します。
手順

仮説検定の5手順

  1. 1

    母集団についての問いをH₀とH₁へ翻訳する

  2. 2

    片側か両側か、有意水準αはいくつか事前に決める

  3. 3

    H₀の下で検定統計量とp値を求める

  4. 4

    p値とαを比べてH₀を棄却するか決める

  5. 5

    効果の向き・大きさ・前提とともに文脈へ戻して述べる

比較
結果適切な表現避ける表現
p≤αH₀を棄却するH₁が100%真
p>αH₀を棄却できないH₀が証明された
小さいpH₀との食い違いが大きいH₀が真である確率が小さい

結果p≤α

適切な表現
H₀を棄却する
避ける表現
H₁が100%真

結果p>α

適切な表現
H₀を棄却できない
避ける表現
H₀が証明された

結果小さいp

適切な表現
H₀との食い違いが大きい
避ける表現
H₀が真である確率が小さい

検定は証明ではなく、仮定したH₀と観測データの整合性を基準に沿って判断する手続きです。

場面
H₀の下で計算した両側p値が0.032、有意水準が5%である。
順に考えると
小数へそろえるとα=0.05です。0.032<0.05なのでH₀を棄却します。この判断は「H₀の下なら観測結果以上の食い違いは約3.2%しか起こらない」という意味です。対立仮説を支持する統計的な証拠があると述べます。
ここが結論
5%有意水準でH₀を棄却します。
注意

p値は仮説の確率ではない

確認

確認テスト

Q1

有意水準0.05でp値0.12を得たとき、適切な結論はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    H₀は検定の基準、H₁は支持したい方向

  2. 2

    p値はH₀の下で観測結果以上が出る確率

  3. 3

    p値を事前の有意水準と比べる

  4. 4

    棄却できないことはH₀の証明ではない

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