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イントロ

相関・因果・外れ値を区別する

一緒に変わることと、原因であることは別

相関は二つの量が一緒に変わる傾向です。それだけでは、どちらが原因か、別の要因が両方を動かしたかまでは決まりません。散布図と調査条件へ戻って、主張できる範囲を絞ります。

定義

相関と因果関係

教科書では
相関は二変量の共変動、因果関係は一方の変化が他方の変化を引き起こす関係です。
言いかえると
相関が強くても、AがBを生んだ、BがAを生んだ、CがAとBの両方に影響した、偶然にその標本だけで傾向が出た、という複数の説明が残ります。データから直接確かめていない説明を、相関係数だけで一つに決めてはいけません。
図解第三の要因が二つの変数に影響する関係と外れ値の点検
AとBの相関の背後に第三の要因Cがある場合と、外れた一点で見かけの傾向が変わる場合を左右で比べます。相関だけでは原因の向きが決まらないことを点検する図です。
要点

主張を読む五つの問い

「相関がある」の次に、結論を支える条件がそろっているかを一つずつ確かめます。

  1. 1

    原因とされた変化が結果より先に起きているか

  2. 2

    両方へ影響する第三の要因がないか

  3. 3

    逆向きの因果でも説明できないか

  4. 4

    一つの外れ値や狭い範囲だけが相関を作っていないか

  5. 5

    同じ条件の別データや追加調査でも確かめられるか

比較
観察言えることまだ言えないこと
気温と飲料売上が一緒に増えたこの期間では正の相関がある飲料を買うと気温が上がる
学習時間と得点に正の相関調べた集団では同じ向きの傾向時間を増やせば全員が同じ点だけ上がる
外れ値を含めるとrが大きいその一点が数値に影響した可能性外れ値は誤りなので削除してよい

観察気温と飲料売上が一緒に増えた

言えること
この期間では正の相関がある
まだ言えないこと
飲料を買うと気温が上がる

観察学習時間と得点に正の相関

言えること
調べた集団では同じ向きの傾向
まだ言えないこと
時間を増やせば全員が同じ点だけ上がる

観察外れ値を含めるとrが大きい

言えること
その一点が数値に影響した可能性
まだ言えないこと
外れ値は誤りなので削除してよい

観察事実と、その事実から付け足した説明を分けて書くことが出発点です。

場面
ある町では、月ごとの気温と冷たい飲料の売上に強い正の相関があった。『飲料の購入が気温を上げる』と言えるか。
順に考えると
購入が気温より先に起きるとは限らず、むしろ気温が上がると飲料が売れる逆向きが考えられます。また季節という第三の要因が日照時間や人出とともに両方へ影響した可能性もあります。観察された相関は有用ですが、購入が気温の原因だという結論は支えません。
ここが結論
「調べた月では気温と売上に正の相関が見られた。因果の向きや季節の影響は追加調査が必要」と限定して述べます。
手順

外れた点を見つけたとき

  1. 1

    入力・測定・単位の誤りがないか確認する

  2. 2

    特殊な条件をもつ正しい観測か調べる

  3. 3

    含めた場合と除いた場合の図や指標を比べる

  4. 4

    除外するなら事前の基準と理由を記録する

  5. 5

    結論がその一点に依存することを明示する

注意

強い相関は因果の証明ではない

確認

確認テスト

Q1

アイスの売上と水難事故件数に正の相関が見られたとき、最も適切な考察はどれですか。

まとめ

まとめ

  1. 1

    相関は一緒に変わる傾向、因果は引き起こす関係

  2. 2

    時間順序・逆向き・第三の要因を確認する

  3. 3

    外れ値は理由なく削除しない

  4. 4

    観察した集団と範囲に限定して述べる

  5. 5

    追加調査に必要な情報を示す

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